プロジェクトタイトル
持続可能なデスティネーション?マネジメントとエコシステムを構成する観光映像の研究
研究ユニット
代表者
メンバー
尾久土 正己、加藤 久美、小柴 恵一、蘇 哲仁、田中 光敏、森 清顕
プロジェクト期間
2021年5月19日 ~ 2023年3月31日
プロジェクト概要
日本の地方を、インバウンド旅行者が来訪する持続可能な観光デスティネーションとして、マネジメントすることが求められている。現在はインバウンド旅行者は停止しているが、それでも地方誘客が重要であることには変わりはなく、そのため観光映像への期待が高まっている。しかし、観光映像の予算は増えているが、実際にどのように映像が地域の持続可能なエコシステムに貢献しているのか、その検証は不十分である。諸外国では観光映像の地域観光エコシステムにおける役割が重要な研究対象となりつつある。本研究では、観光映像を軸としたエコシステム、そしてこれからの観光映像と観光のあり方を研究する。
経過報告(2021年度)
本研究は、観光映像を軸とし、デスティネーションマネジメントとエコシステムの導入を考えるもの である。そしてこの課題は学究としてよりも、現在の観光地域における火急の課題を解決する実践的な課題であり、よって本研究は実践的な研究と考えることができる。本年度は成果としては上がらなかっ たが、複数の企業と共同で自治体の観光映像プロジェクトへの参画を試みた。結果としてはコンペに勝つことはできなかったが、実務業務に関わることで観光映像のビジョンがより明確になってきている。 それらについては国際シンポジウムで発表を行った。また、日本国際観光映像祭を与論島にて開催し、 優れた映像を表彰するとともに、観光映像について多角的に議論をした。
成果報告
滋賀県大津市真野浜をメイン会場として2023 年3 月14 日から16 日まで第5回日本国際観光映像祭を開催した。この映像祭の開催を軸に、プレスリリース、アウトリーチ活動を行った。また、観光映像と地域マネジメントのあり方について、おそらく世界においても最も早く学術書のブックチャプターとして出版した。2022 年度の映像祭では海外からのゲストも呼ぶことができたため、それにともない充実したスタディツアー(撮影済み)、海外作家の観光映像も制作することができたので、日本の観光映像のあり方に大きな一歩を示すことができた。映像祭自体も駐日インドネシア総領事やモルドバ駐日全権大使、ポルトガル?モンサン市長などの参加もあり、世界的に注目される映像祭となった。
- 論文?著書: 木川 剛志 (2022). 「観光地域マネジメントと観光映像」陶山計介, 室博, 羽藤雅彦, 青谷実知代編『地域創生と観光』(pp.141-160). 千倉書房.
- プレスリリース: 映像祭としては、開催概要、受賞(オフィシャルセレクション、ファイナリスト、受賞)などのプレスリリースを発表している。受賞のニュースは、ポルトガル、台湾、インドネシアを中心に20 以上のメディア掲載を確認している。
- アウトリーチ活動: 9 月に与論島にて前年度の観光映像祭の成果について一般町民向けに上映会を行った。研究代表者は、Short Short Film Festival の受賞者プレゼンテーションにコメンテーターとして参加した。Journal of JWTFF(6 本)を初め、映像祭のメディアやYoutube で一般向けに観光映像のあり方(6 本)を発表している。また映像祭当日は多くの一般向けのフォーラムを開催(8 本)しており、Youtube チャンネルにて閲覧できる。