経済計測研究所の母体は、1959年に発足した経済計算研究室です。この共同研究施設ができた事情は次のとおりです。
伝統的に、経済学部では計量経済学、理論経済学、経済統計学、数理統計学の分野においてフロンティア的な研究がされてきました。しかし、1950年代の中頃には、これらの研究に不可欠な数値計算処理のための計算機は明らかに不足していました。1955年度以降に、産業教育施設費を確保し、計算機13台が購入されました。さらに、経済統計学講座教員の案出した高能率の計算計画が学会で注目され、文部省にも評価されて、計量計算の設備充実費が増えました。これらにより増加した諸機械設備を統一的に管理?運営して研究に活かすために、元教官研究室一棟が移築されました。ここに、経済計算研究室なる共同研究施設が発足しました。
経済学部諸教員の情熱と努力が継続され、1963年、経済学部後援会の寄付によって、MADIC-ⅡA(松下通信工業社製)電子計算装置が経済学部に設置されることとなり、その管理機関として経済計測研究所が誕生しました。
これ以降は以下のとおりです。
1968年1月 (MADIC-ⅡA導入の5年後)TOSBAC-3400(東芝製)が導入され、2セットの電子計算機を保有することになりました。
1971年4月 和歌山大学経済計測研究所規則が制定され、電子計算機を管理?運営する体制が整いました。
1975年3月 HITAC-8250(日立製作所製)が導入され、研究、教育、あるいは学内業務の電算処理に広く利用されるようになりました。
1981年4月 学内共同利用計算機センターの発足に伴い、経済計測研究所はACOS-350(日本電気製)の設置場所を提供しました。
1987年9月 経済学部は栄谷キャンパスへ移転し、その後、エンジニアリング?ワークステーション(ソニー製NEWS)42台によるLANを構成し、GUIを利用した先進のコンピュータ?システム(産業情報システム)が導入されました。
1990年2月-1995年1月 学内ネットワークの中枢的役割を担うMV/40000(データゼネラル製)が情報処理センター(現学術情報センター)に導入され、経済計測研究所はその設置場所を提供しました。
1994年3月 NEWSに代わり、画像処理装置とX端末が38台導入され、マルチメディア情報処理教育を行う環境が整いました。
1995年からはWindowsやMacOSを搭載したパーソナルコンピュータを毎年数台導入し、パーソナルコンピュータによるネットワーク環境も整えました。これにより、マルチプラットホーム環境で研究?教育ができる体制に入りました。
2000年2月 38台のパーソナルコンピュータが導入され、少人数教育に対応できる複数の授業と自習が同時に行える環境が整いました。
2006年2月 65台のパーソナルコンピュータが更新され、システム情報学センター(現学術情報センター)とシステムの統一化をはかり、ユーザの利便性があがりました。また、WindowsとLinuxがデュアルブートできる環境になり、幅広い研究、教育ができるようになりました。
2010年2月 院生研究室の7台を含めた72台のパーソナルコンピュータが更新されました。
2014年2月 院生研究室の7台を含めた75台のパーソナルコンピュータが更新されました。プリンタはスキャン機能を備えた複合機となり、学生証による認証で利用できるようになりました。
2015年9月 演習室Cを分割し、少人数教育の環境を向上させました。
2016年3月 学生の自主学修に活用できるスペースとして「ワークショップルーム」を整備し、学生のグループ単位で予約できるようになりました。
2017年9月 学生の自主学修に活用できる大判プリンタを導入しました。
2018年4月 経済研究所と統合し、名称が『経済総合研究所』となりました。